理不尽な怒りの矛先

【2005-05-08 15:56:40の記事】

日本って陰湿な国ですね。
下記に記事を挙げていますので、読んで頂ければ分かると思います。
何も関係のない方が、何も関係のない同じ会社の社員に対して嫌がらせをしている。
でもこれって嫌がらせと言う、可愛い内容ではなく「傷害」であり「殺人未遂」にとられてもおかしくない事ではないだろうか？

運転士や車掌などへの嫌がらせ、事故後７０件…ＪＲ西
2005年05月08日(日) 　読売新聞

ＪＲ福知山線の脱線事故後、ＪＲ西日本管内で、運転席後方のガラスに「命」と印刷された紙が張られたり、女性運転士がホームでけられ線路に落ちそうになったりする嫌がらせ行為が約７０件も相次いでいることが、７日わかった。
事故以降も後を絶たないオーバーランや不祥事も影響しているとみられている。

西日本旅客鉄道労働組合（ＪＲ西労組）などによると、４月２７日夜、ＪＲ東海道線の大阪駅に着いた新快速電車の運転席後方のガラスに「命」と書かれた紙が上下逆さまに張られているのが見つかった。同様の張り紙はこれまで計６回あった。

今月６日には、大阪駅ホームで電車を見送っていた女性運転士が、男性に足をけられ、ホームから転落しそうになったという。

このほか、
▽東海道線・野洲駅で、男性駅員が「尼崎の事故でたくさん死んでいるのにＪＲは何をしてるんや」と言われ、顔を殴られた
▽福知山線・宝塚駅で、若い車掌が乗務員室から引きずり出された
▽大阪駅で、運転士がコーラの缶を投げつけられた
――などが相次いでいる。

また内容は異なるが、遺族側とJR側での対立で以下のような報道もされている。

合同慰霊祭できず、会場巡り遺族反発
（読売新聞） - 5月8日

福知山線の脱線事故で、ＪＲ西日本が犠牲者合同慰霊祭を計画したところ、場所を巡って遺族側が猛反発し、開催が宙に浮いている。

遺族側によると、同社は今月２日、合同慰霊祭を事故から１か月の２５日に開くと伝えた。開催場所とされたのは、遺体安置所となった尼崎市記念公園総合体育館。

このため遺族側は「余りにも配慮が足りない」「あの場所はつら過ぎる。無神経だ」と一斉に猛反発。翌３日、今度は「神戸市のホールに内定した」と連絡があったが、遺族側は「なぜゆかりのない、遠い所で開くのか」と反発。５日になってＪＲ側から「慰霊祭は中止になった」と伝えてきたという。

これもお互いに深い溝を作ったが為の、妥協点を見出せない結果となった。
被害者であっても加害者であっても、感情論だけでは物事は進展しない。
感情に走ったからと言って、大変失礼な表現になるが、故人は戻っては来られないのだ。
JR側も被害者の立場に立つという初歩的な配慮が欠けている。益々溝は深くなるばかりである。

今回の事故の衝撃は、あの1985年の御巣鷹山の日航機墜落事故の際の衝撃に等しいと報道された。
蛇足ではあるが、死者500数十名を数えた御巣鷹山事故で、色々とバッシングはあったものの、
遺族側から日航に対するクレームは殆どなかったと聞いている。
今回の福知山線の事故は、対応の悪さを指摘する話ばかりだ。
会見や対応を見ていると、その企業のレベルが伺える。
人命に関る企業の「危機管理能力」がいい加減だったとしか言えない。

改めて亡くなられた方々のご冥福を祈らずにはいられない。ご家族の心の傷が少しでも癒え…
そして負傷された方々の、一日も早い社会復帰をお祈り致します。