【元厚生省事務次官連続殺傷事件】動機の根源は矛盾だらけ

今回の元次官連続殺傷事件で、出頭した小泉容疑者の動機と目されるものに、
疑問が呈されている。
筆者自身も甚だ疑問である。

動物行政に多少なりとも関わっていれば分かる事でもあり、一般の方々には認知度が低いので
その部分は100歩引いても…であるが、容疑者は一体何を媒介にし調査したのか、まず疑問が出てくる。

マスコミでも基本的な動物行政の情報を記しているが、まず厚生労働省は、狂犬病予防法を所管しているのみで、保健所や動物愛護センターの運営は、各自治体の所管である。
また自治体によっては、動物愛護センターを所管しておらず、保健所がその業務を担当する場合もある。
これは意外と認知されておらず、誤解されている点だと思う。

しかし小泉容疑者は、34年前の事を引き合いに出している。
この点から察するに、当時動物愛護センターの普及は乏しく、ペットの処分などは保健所を窓口とし、処分場へ送られていた事だろうから、間違いではないだろう。


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また小泉容疑者が言っていた「年間５０万頭もの処分」は、10年以上前の数字であり現在は遺棄数、持込処分数は増えてはいるものの、譲渡率などの増加で処分自体は３０万頭前後である。
（それでも３０万頭である…）
動物問題を話し出したら、際限がない筆者なので、この辺で終わらせるが…
何にしても自身の動物問題（処分）が引き金になるのは、些かお門違いな感が否めない。
正直、勘弁して欲しいものである。

しかし、読売新聞東京本社に送られたメールを読む限り、
小泉毅と言う男、小心者の自己顕示欲の塊にしか思えないのだが…

読売新聞東京本社に送信されたメール（表現は原文通り）

　今回の決起は年金テロではない！

　今回の決起は３４年前、保健所に家族を殺された仇討ちである！

　私はマモノ（元官僚）１匹とザコ（マモノと共生しているやつら）１匹を殺したが、やつらは今も毎年、何の罪の無い５０万頭ものペットを殺し続けている。

　無駄な殺生はするな！！！

　無駄な殺生をすれば、それは自分に返ってくると思え！

　＜日本警察の捜査能力に疑問＞

　・私は左利きである。（吉原の妻に聞けば分かること）

　・私は靴ひもタイプを使ってない。

　・吉原の妻に使った凶器は山口を殺した包丁を使用した。

　・山口の件では最初に出てきたのは剛彦である。

　最初から逃げる気は無いので今から自首する。

　以上

クレーム対応のコンサルタント会社を経営する援川(えんかわ)聡さん(52)曰く、
「（クレーマーは）自己顕示欲と劣等感が強く、自分の問題を企業やマスコミ、役所などのせいにする『せいだ病』に取り付かれている人物」と説明した上で、
「不満をためている人間が『ペットを殺されたことがすべてのきっかけ』などと通常では考えられないような責任転嫁をするのはよくあること」と話している。
見事に合致するから、非常に興味深い話しである。

しかしこの事件「年金テロ」だとか大騒ぎしていたが、当初何故テロであると目されたのかが謎である。
確かに共通点はいくつかあった。
これが官僚経験のない一般の公務員だったら「テロ」見出しはなかっただろう。
重ねて言わせて貰えば、高級官僚経験者であったが為に「テロ」であると見出しをつけたのだろう。

広く恐怖又は不安を抱かせることによりその目的を達成することを意図して行われる政治上その他の主義主張に基づく暴力主義的破壊活動をいう（警察庁組織令 第39条）

政治上その他の主義主張に基づき、国家若しくは他人にこれを強要し、又は社会に不安若しくは恐怖を与える目的で多数の人を殺傷し、又は重要な施設その他の物を破壊する行為（自衛隊法 第81条の2第1項）

何も解明されていなかった前段階では、上記の法的観点から言えば「テロ」なのかも知れない。
だが、その推理は見事に砕かれた…
マスコミにしてみれば「年金テロ」であって欲しかったのかもしれない。
そう穿った見方をしてしまう筆者であった。

何にしても犯行の直接的動機は未だ分からない状況である。
この先の展開にも注視していきたいと思っている。

蛇足：
「毅」という名前は、５・１５事件で、首相で昭和７年に暗殺された犬養毅のような
真っ直ぐな人物になってほしいとのことから名づけられたという。
この命名だけが、親御さんとしては悔やみきれない所ではないだろうか？

犬処分の関連行政、元次官２人は担当せず
2008年11月24日03時16分 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20081118-5344510/news/20081123-OYT1T00512.htm

小泉毅容疑者が、ペットを保健所に殺され腹が立ったという内容の供述をした点について、厚労省の江利川毅次官は２３日、「動機をどう考えればいいのか、情報が少なくてわからない」と語り、殺害された山口元次官の２代前の厚生次官・多田宏さんも「言っていることがめちゃくちゃ。どこまで（厚生行政を）知っているのかといぶかしく思う」と話した。

舛添厚労相は同日、静養先の神奈川県湯河原町で「一刻も早い全容解明をお願いしたい。（小泉容疑者と厚労行政を）結び付ける情報は全く入っていない」と語った。

保健所は都道府県などの自治体が運営している。厚労省は、予防注射を受けていない犬などの捕獲や処分を定めた狂犬病予防法を所管し、自治体を指導する立場にあるが、自宅を襲撃された元厚生次官２人がこれらの行政を直接担当したことはなかった。

環境省の2006年度の調査では、保健所などに引き取られた犬や猫のうち、殺処分となったのは計約３４万匹。動物愛護団体「地球生物会議」によると、1997年度は６４万匹余だったが、01年度に５０万匹を切り、減少傾向にあるという。

殺処分を巡っては、動物愛護の観点から批判が高まり、厚労省は昨年５月、動物愛護法を所管する環境省とともに、できるだけ生存の機会を与えるよう求める通知を自治体に出した。

タグ：元厚生省事務次官連続殺傷事件 小泉毅

コメント 4

私も同感です！
物的証拠から事件の関与が発覚しても、動機証明に時間がかかるのではないかと・・・。
捕まったばかりですから、混乱していて、色々関連づけて言っているのか・・・。

飼っていた犬が殺処分されたからと言って、厚生事務次官を狙う理由にはなりませんし・・・。
それだったら、保健所に持って行った父親を恨むと思うんですが・・。
この２点が謎ですよね。

PS：リンク完了しました。
承諾してくださり、感謝しております(^_^)v
あと、読者登録も有難うございますm(_ _)m

私、基本的に新聞記事を参考にしつつも独自の言葉で記事を書く方式を今後も継続することにしました。
by ホタルの館 (2008-11-24 17:34) 

ホタルの館様

こんばんわ♪　いつもnice！＆コメントありがとうございます。
まだまだ取調べ途中なので、何とも判断できかねる事件ですが、
この件で少しは動物行政に関して、関心を持って下さる方がいらっしゃれば、ある意味嬉しい結果ではあります。
ただ、小泉容疑者の仕出かしたことは、全く容認できるものではないですけどね。
by みかんママ (2008-11-24 17:59) 

神楽様

おはようございます♪　いつもnice！ありがとうございます。
by みかんママ (2008-11-26 07:28) 

しもむ様

こんばんわ♪　いつもnice！ありがとうございます。
by みかんママ (2008-11-26 23:49)